スロバキアは人口540万人というかなり小さな国だが、非常に大きな競争力を持っている:首都ブラチスラバは、壮麗なウィーンから車で1時間以内の距離にある。首都ブラチスラバは、壮麗なウィーンから車で1時間以内の距離にある。この確立された経済圏に近く、ユーロ圏に加盟していることから、生活水準が高く、それに伴って給与水準も高いと考えるのが普通だろう。しかし、ソフトウェア開発者のスキルが高く求められるIT業界でさえ、これは明らかにそうではない。

スロバキアのIT労働市場について詳しく知るため、New Generation Recruitmentのエグゼクティブ・ディレクター、マテイ・ヴァルチ氏に話を聞いた。彼が教えてくれたのはこうだ。

どうやら、東ヨーロッパのどこでもそうであるように、有能なITエンジニアの需要は高いようだ。IBM、ロジカ、マイクロソフトといった多国籍企業の現地支社は、大学を卒業したばかりの優秀な学生を採用している。経験豊富なソフトウェア開発の専門家は、毎日電話が鳴り止まない。

しかし不思議なことに、IT業界の給与は妥当な水準にとどまっている。例えば、3~5年の経験を持つ.NET開発者の平均給与は1390ユーロ(月給総額)だが、期待値は30%高いかもしれない。ヴァルーチが言うように、「欧米のIT給与はこんなものだという非現実的な考えから、期待値が高くなる現象」だ。

雇用コストの合計を出すには、35%の給与税と社会保障費を加えなければならないが、それでも経験豊富な.Net開発者の月額コスト合計が2000ユーロ以下というのは、シリコンバレーに比べれば妥当なところだ。これが、14人の従業員を抱える映画レーティング・スタートアップSynopsi.tvの創業者、ラスティスラフ・トゥレックがブラチスラヴァを選んだ理由だ。昨年の夏、ブラチスラバで短いミーティングをした際、彼は、どんな開発者でも年間最低10万ドルはかかるシリコンバレーと比べて、スロバキアは好条件だと言った。

オーストリアやドイツを中心とする中小企業も、ITスペシャリストを現地支社に採用している。しかし、ヴァルチ氏によれば、市場力学の理解は必ずしも十分ではない。例えば、多くの企業は求人広告を出せば、候補者の履歴書が殺到すると思っている。

スロバキアでも、おそらく東欧のどこでもそうだろうが、ヘッドハンティングはソフトウェア開発チームを作る最も効果的な方法だ。しかし、立地条件(ウィーンへの直行便は多数)や通貨ユーロという点で、スロバキアは東欧でソフトウェア開発チームを立ち上げようとしている欧米のプロジェクトマネージャーにとって便利なアウトソーシング先である。オーストリアの企業にとっても、ニアショアのソフトウェア開発チームに近接している。

また、GoalEuropeの調査によると、100社以上のアウトソーシング会社がある。